S.COMから電動ガン用の ブラシレスモーター も登場!併せて使いたいチタン ヘリカルギアセット も同時発売!
S.COMから、電動ガン用ブラシレスモーターとヘリカルギアセットが国内発売された。ギアセットは、チタン製セクターギアを採用している。この記事では、ヘリカルギアの構造とモーターとの相性を整理する。対応機種や注意点もまとめたので、導入前に役立ててほしい。
S.COM ブラシレスモーターとヘリカルギアセットの要点まとめ
- ブラシレスモーター:Lipo 11.1V使用時に、0.005秒で48,000RPMへ到達する(メーカー公称)
- 対応機種:M4 / M16 / AR15系やSCARなど、ロングタイプのモーターを使う電動ガン
- 電圧:Lipo 7.4Vと11.1Vに対応。ORGAの試験では、7.4Vでも安定して駆動した
- ギアセット:セクターギアはチタン製で、それ以外のギアはスチール製のヘリカルギア
- ギアセットの対応:スタンダード電動ガンのVer.1 / Ver2 / Ver3 / Ver6メカボックス
- 注意点:ヘリカルギアはスラスト荷重が出るため、シム調整を綿密に行う必要がある
2製品の位置づけとヘリカルギアセットの狙い
衝撃のトレポン用 ブラシレスモーター の日本国内発売からまだ日も浅いが、S.COMの第2弾の国内正規販売製品として電動ガン用 ブラシレスモーター とチタン ヘルカリギアセットがオルガエアソフトから発売となった。これらの製品も例に洩れず、非常に高精度かつ画期的なカスタムパーツとなっているので是非ご紹介したい。
チタン ヘリカルギアセットについてはS.COMの本国サイトでも公開されたばかりの新製品で、単体での組み込みでも耐久性アップやギアノイズ減少など素晴らしいプロダクトなのだが、 ブラシレスモーター と併せて使用することでそれぞれのメリットを遺憾なく発揮する。
トレポン用 ブラシレスモーター に付けられた「REBORN」という名称こそ付けられてはいないものの、これらの新製品も電動ガンを生まれ変わらせる優れた動力パーツだ。その全容について解説していこう。
2製品の仕様を表で確認
まず、2製品の仕様を表にまとめる。仕様は、ORGAの商品ページと本記事の内容に基づく。
| 項目 | ブラシレスモーター | チタン ヘリカルギアセット |
|---|---|---|
| 製品名 | S.COM 48K RPM AEG ブラシレスモーター 電動ガン用 ロングタイプ | S.COM チタン ヘリカルギアセット 16:1 スタンダード電動ガン用 |
| 対応 | M4 / M16 / AR15系、SCARなど、ロングタイプのモーターを使う電動ガン | スタンダード電動ガンのVer.1 / Ver2 / Ver3 / Ver6メカボックス |
| 特長 | Lipo 11.1Vで、0.005秒で48,000RPMに達する | セクターギアがチタン製。ピニオンを含む他のギアはスチール製のヘリカルギア |
| 電圧・比率 | Lipo 7.4V / 11.1V専用。Ni-MHなどでの動作は保証されない | ギア比は16:1 |
| 軸・付属 | D型軸(軸径3mm、D面高2.6mm) | モーターピニオンが付属 |
| 注意点 | ミディアムタイプのSIG552やPDW、ショートタイプのAK系やMASADAには非対応 | シム調整を綿密に行う。軸受けも精度と強度の高いものを選ぶ |
ただし、ギアの細かな適合は、販売店で表記が分かれることがある。そのため、ここでは載せていない。購入前に、各商品ページで最新の仕様を確認してほしい。
S.COM 48K RPM AEG ブラシレスモーター 電動ガン用 ロングタイプ
ロングタイプなので、M4 / M16 / AR15系やSCARに組み込み可能な電動ガン用モーター。Lipo 11.1Vバッテリーを使用した場合、トリガーを引いて通電してから僅か0.005秒で48,000RPMに達する反応速度と回転数で、従来電動ガンや次世代電動ガンのトリガーレスポンスを極限まで高めることが可能だ。
ロングタイプとは、M4系やSCARなどが採用する型式のモーターを指す。一方、ミディアムタイプの東京マルイSIG552やVFC PDWには合わない。さらに、ショートタイプのAK系やMASADAも対象外である。
ブラシレスモーターの特性とピニオンの注意
回転数だけを見ればハイスピードモーターに当たるようにも思えるが、ブラシレスモーターの特性として従来モーターよりトルクが強く、メーカー公称でM180相当のスプリングでも容易に引き切る強力なパワーを有する。 ブラシレスモーター がどうしてこのようなハイスペックとなるのか、従来モーターとの違いについては、既にトレポン用モーターの記事でも解説しているので詳細はそちらをご覧頂きたい。
ブラシレスモーターは、ブラシ付きと違って、摩耗する接点部品がない。そのため寿命が長く、静かで振動も少ない傾向にある。ただし、駆動に制御回路が必要で、価格は高くなりやすい。
また、モーターを交換するときは、ピニオンギアの確認が欠かせない。噛み合わせが合わないと、ギアノイズやギアクラッシュの原因になる。特に、ベベルギアとの相性は最優先で見ておきたい。
7.4Vでも安定して回せる理由
トレポン用 ブラシレスモーター との大きな違いはLipo 7.4V運用でも安定するという点が挙げられるだろう。元々ギア精度の高い トレポン/PTW では今やバッテリーに3セル11.1Vを使用するのが一般的であり、モータースペックも11.1Vに照準を合わせたセッティングにしているのか、7.4Vではレスポンスは良くなるがバッテリーの状態が悪い(セルの経年劣化、充電量など)と保護機能が働いて動作が止まりやすい。対して電動ガンでは7.4Vが主流のため、当モーターは多少痛みがある7.4V Lipoバッテリーであっても問題なくドライブが可能だ。
48,000RPMという回転数や0.005秒という反応速度は11.1Vバッテリー使用時の数値となるが、7.4Vであっても従来モーターと比較するとレスポンスの早さに驚かされる。
※上記、バッテリーについての記述は当店でのテストドライブによる結果を踏まえての意見となります。
※ショートタイプ、ミディアムタイプ(シャフトの長さ)についてはまだ未発表・未発売となっております。
Lipoバッテリーの電圧と取り扱い
Lipoバッテリーは、2セルで7.4V、3セルで11.1Vになる。電動ガンでは、7.4Vが標準的な電圧とされる。一方、11.1Vは回転が上がりすぎて故障リスクが高まるため、上級者向けとされる。
このモーターは、7.4Vと11.1Vのどちらにも対応する。ただし、Ni-MHなどのバッテリーでは、動作が保証されていない。そのため、必ずLipoバッテリーを使う必要がある。
モーター出力を上げたときの落とし穴
ただし、電動ガンのモーター出力を上げすぎるとトラブルも発生しやすくなるのが通説である。過去、他メーカーも電動ガン用の ブラシレスモーター をリリースしているが、強度の弱いギアや精度が高くないギアと組み合わせるとギアロックやクラッシュを起こしやすく、ユーザーやショップエンジニアを手こずらせたことも多々あった。結局スペックを下げたバージョンをリリースしたりと、電動ガンのモーターパワーを上げるのはなかなか難儀する課題の1つである。
しかし、その課題をクリアするための切り札こそ、次に紹介するヘリカルギアセットなのだ。 ブラシレスモーター だけでなく高精度・高強度ギアもリリースされたことは、電動ガンのアップグレードを考えていた諸兄にとって大きな選択肢となることは間違いない。
ギアロックとは、ギアが想定外の位置で噛み合って止まる状態を指す。モーターの力が強いほど、その衝撃は大きくなる。そのため、ブラシレスモーターを入れるなら、ギア側の精度と強度も上げておきたい。
S.COM チタン ヘリカルギアセット 16:1 スタンダード電動ガン用
S.COMが日本国内での ブラシレスモーター 発売と併せて投入してきたのが「チタン ヘリカルギアセット」だ。こちらはS.COMでも発売開始直後の全く新しいプロダクトである。スタンダード電動ガン(従来電動ガン) Ver.1 / Ver2 / Ver3 / Ver6 タイプのメカボックスに適応する汎用性の高いギアセットとなっている。
当製品の大きな特長は2つ。1つ目はセクターギアにチタン素材を用いていること。2つ目はピストンを引く箇所以外のギア全てをヘリカルギアとしていることである。
ギア比16:1は、標準的とされる18:1よりも低い比率である。一般に、ギア比を下げるとサイクルは上がる方向になる。そのため、軽快な反応を狙う構成に向いている。
ヘリカルギアセットのチタン製セクターギア
チタン合金は単純比較でスチールの約2倍の強度と柔軟性を持っており、軽量であるにも拘らず破損しにくい素材だ。また錆や摩耗にも強く、電動ガンのパーツ交換頻度を減らして将来的なランニングコストの削減にも繋がる。強いスプリングと組み合わせても、セクターギアの摩耗を最小限に抑えることができる。チタンの使用をセクターギアという最も負荷の掛かる箇所のみに絞ることで、(従来ギアよりは高価だが)価格が控えめであることもポイントが高い。
セクターギアは、ピストンを引く動作の中心となる部品である。そのため、最も負荷が集中しやすい。ここだけをチタンにしたヘリカルギアセットの設計は、強度と価格を両立する工夫といえる。
ヘリカルギアの仕組みと弱点
セクター以外のギアについてはスチール製となるが、それらはヘリカルギアとすることで耐久性を高めている。当製品ではモーターピニオンも付属しており、ピニオンギアも含めてヘリカルギアとなっている。ヘリカルギアとは、通常の平歯と異なり歯スジがねじれている(螺旋状)ギアのことである。ヘリカルギアの利点は、ギア同士の接触面が大きくなることで1つ1つの歯への負荷が分散されるところにある。また、ギア同士の噛み合いが向上することで回転も滑らかになり、ノイズが低減することも忘れてはならない。
ただし、歯が斜めになることで平歯のギアにはないスラスト荷重(軸に平行方向に掛かる力)が発生するため、ギアがメカボックスに当たらぬようシム調整についてはより綿密に行う必要があることは留意して頂きたい。軸受けについても精度と強度の高いものを選択しよう。
ヘリカルギアは、はすば歯車とも呼ばれる。歯が連続して噛み合うため、回転がなめらかで、高速回転でも静かである。さらに、歯面の強度も高い。
一方で、軸方向にスラスト荷重が出る点は弱点になる。そのため、この力を受け止める軸受けの選び方が重要になる。
ヘリカルギアのシム調整で失敗しないポイント
普段からシム調整を行っている方にとっては朝飯前であるとは思うが、セッティングをしっかりと行えば理想的な内部セットアップが完成する理想的なギアセットである。このチタン ヘリカルギアセットだけでも電動ガンには効果の大きいパーツであるが、先に紹介した ブラシレスモーター と組み合わせる意味はどこにあるのだろうか?
シム調整の目的は、ギアに掛かる力の逃げ場を作ることだ。例えば、力が掛かる側にわずかな逃げを持たせ、反対側は位置をしっかり固定する。
さらに、組み込んだ後は、指でゆっくりギアを回してみたい。擦れる音や引っ掛かりがあれば、シムの厚みを見直す必要がある。特に、セクターギアとタペットプレートの干渉は確認しておきたい。
ハイパワーなモーターには精度と強度に優れたギアセットが必須
電動ガンはトレポンなどと比較して価格が安いのは、ギアに用いる素材を安価なものにしたり、設計をそこまで詰めなくても動作するという点が理由となる。しかし、このことがモーターパワーを上げられないデメリットでもある。ギアが削れたり割れたりしやすい素材で且つギア同士の遊びも大きいと、ギアが想定外の部分で噛み合ってギアロックを起こしたり、最悪の場合クラッシュを起こして修理が必要となる。モーターのスピードやトルクが大きくなればなるほど、その確率はどうしても高くなってしまう。
ヘリカルギアの歯形とCNC加工
S.COMチタン ヘリカルギアは高精度なCNC加工によりギア同士の遊びが少なく、またヘルカリギアという噛み合い率の高い形状を用いることでギアロックの発生率を最大限まで低くしている。ハイスペックなモーターを組み合わせてもしっかりと駆動するため、電動ガンに安心して ブラシレスモーター を取り入れることができるのだ。勿論メカボックスや軸受けの精度も重視していただきたいところではあるが、しっかりと調整が行われてさえいれば、11.1Vバッテリーでも安心してガンガン回すことが可能だ。
ヘリカルギアは、歯の形状が噛み合い率を高める。さらに、CNC加工が遊びを減らす。つまり、形状と加工精度の両方で、ギアロックの発生率を下げている。
ヘリカルギアとブラシレスモーターを組み合わせる3つのメリット
- ギアの精度が高いため、モーターの力を無駄なく伝えやすい
- ヘリカルギアの噛み合いが良く、回転音の低減が期待できる
- チタン製セクターギアが、強いスプリング使用時の摩耗を抑える
ただし、これらはあくまでメーカー公称や構造上の特性である。そのため、効果の度合いは、メカボックスの調整状態で変わる。
駆動の様子は動画でも確認できる
ハイレスポンスで安定した駆動については動画でもアップしているので是非ご覧頂きたい。
ヘリカルギアとブラシレスモーターのまとめ
これまでにない反応速度・回転数・精度・強度を持つS.COM製の ブラシレスモーター とギアセット。メジャーなM4系スタンダード電動ガンには同時に組み込みが可能で、理想的なトリガーレスポンスとトイガンとは思えぬ安心感を手中に収めることができる。是非あなたの愛銃にも組み込んで、この至高のスペックを体感して頂きたい。
ヘリカルギア導入前に確認したいチェックポイント
電動ガン本体のタイプを確認する
まず、自分の電動ガンのモーターがロングタイプか、確認したい。ロングタイプなら、M4系やSCAR系が当てはまる。一方、AK系やMASADAはショートタイプなので、このモーターは使えない。
ギアセットの対象は、次のメカボックスである。Ver.1 / Ver2 / Ver3 / Ver6が該当する。そのため、バージョンも確かめておこう。
ピニオンギアとD型軸の相性を見る
このモーターは、軸径3mm、D面高2.6mmのD型軸である。そのため、ピニオンギアもD型を選ぶ必要がある。なお、D型ピニオンは、互換性に注意が必要とされている。
D型ピニオンはイモネジで固定する方式で、高負荷の構成に向く。ただし、ネジロックを使って、緩みを防ぐことが大切である。
ピストンとベアリングの精度も揃える
商品ページでは、ピストンやギアの精度と強度を求めている。ベアリングも同様である。また、高回転で高トルクのため、シム調整はシビアになる。
そのため、モーターだけを先に交換するのは避けたい。ギアセットと同時に入れれば、組み合わせの相性を確かめる手間も減らせる。
バッテリーの保管と充電にも気を配る
Lipoバッテリーは、1セルあたり3.0Vを下回る過放電で、再使用できなくなる。さらに、専用の充電器を使わないと、発火のリスクがある。
長期間使わないときは、1セルあたり3.7〜3.9Vのストレージ電圧で保管する。また、難燃性のセーフティバッグに入れておくと安心である。
S.COM 48K RPM AEG ブラシレスモーター 電動ガン用 ロングタイプの商品ページはコチラ!
S.COM チタン ヘリカルギアセット 16:1 スタンダード電動ガン用の商品ページはコチラ!
ヘリカルギアに関するよくある質問(Q&A)
Q. ヘリカルギアとは何ですか?
歯スジがねじれた、らせん状のギアのことです。平歯と比べて歯の接触面が大きく、1つ1つの歯への負荷が分散されます。また、噛み合いが連続するため、回転がなめらかになり、ノイズも減ります。
Q. ヘリカルギアセットのセクターギアは、なぜチタンなのですか?
セクターギアが、最も負荷の掛かる箇所だからです。チタン合金は、単純比較でスチールの約2倍の強度と柔軟性があります。また、使う場所をセクターに絞ることで、価格も抑えられています。
Q. ヘリカルギアにシム調整が必要なのはなぜですか?
歯が斜めになるため、軸方向のスラスト荷重が出るからです。そのため、ギアがメカボックスに当たらないよう、綿密な調整が求められます。また、軸受けも精度と強度の高いものを選んでください。
Q. このブラシレスモーターは、どの電動ガンに使えますか?
M4系やSCARなど、ロングタイプのモーターを使う電動ガンです。一方、ミディアムタイプのSIG552やPDWには使えません。ショートタイプのAK系やMASADAも同様です。
Q. 7.4Vと11.1Vのどちらのバッテリーを使えますか?
どちらも使えます。ただし、Lipoバッテリー専用で、Ni-MHなどでの動作は保証されていません。なお、48,000RPMや0.005秒という数値は、11.1V使用時のものです。
Q. ブラシレスモーターだけを交換しても大丈夫ですか?
おすすめしません。強度や精度の低いギアだと、ギアロックやクラッシュを起こしやすいためです。そのため、高精度なギアセットとの併用が安心です。
Q. ヘリカルギアセットは、どのメカボックスに対応しますか?
スタンダード電動ガンのメカボックスです。対象は、Ver.1 / Ver2 / Ver3 / Ver6です。ギア比は16:1です。また、モーターピニオンも付属します。
Q. ショートタイプやミディアムタイプのモーターはありますか?
記事の作成時点では、未発表・未発売でした。ただし、状況は変わる可能性があります。そのため、最新の情報は、ORGAの商品ページで確認してください。
Q. ブラシレスモーターは、従来のモーターと何が違いますか?
ブラシが摩耗しない構造のため、寿命が長く、低振動で静かな傾向があります。また、トルクも強く、メーカー公称ではM180相当のスプリングも引き切れます。詳しくは、トレポン用モーターの記事も参考にしてください。








